「たっだいま〜っ!」 「おう、遅かったな」 「三蔵三蔵っ、これ見てこれっ」 「・・・先に手を洗え(←潔癖症)」 「???・・・何コレ?容器も中身も味噌みてぇだけど・・・焦げ茶とか紫とか緑とか??」 「(洗面所から)それ、あんこだぜ!すげぇだろ!」 「いやお前が作ったワケじゃねぇし;」 「買い物をしていたら『あんこ専門店』というのを見つけちゃいまして、何でも常時10種類の色々なあんこを取り揃えているんだそうで、季節に依っても品揃えが変わるそうですよ」 「(洗面所から戻って来て)これがショコラ餡、これが紫芋餡、これが・・・えっと」 「緑はえんどう豆の餡――ずんだ餅に使うあれですね。あと黄色いのはかぼちゃ餡。紅色をした『薔薇餡』っていうのもあったんですけど・・・」 「あんまり美味くなさそうだったからやめた。あんこ食ってんのに花の匂いがプンプンするのってヤだし」 「違いねぇ(笑)」 「別のお店で白玉粉を買ってきたので、お団子を作って好きな餡を添えましょう」 「俺手伝うー!!」 「・・・・・・(←出来合いのを買って来ればいいじゃんと言いたかったが、言っても無駄と悟っている悟浄)」 「・・・・・・(←緑茶があれば餡だけを茶請けにしてもいいんだが、と言いそびれた三蔵)」 (間) 「お待たせ致しました」 「へー、猿のこったからソフトボールの球みてぇなの作るかと思ったけど」 「大きいときちんと中まで火が通んねぇんだろ?ちゃんと八戒から教わったもんねー」 「食いモンの事に関しては、学習能力が高いな」 「まあ良いじゃないですか」 「俺全種類ちょっとずつー♪」 「それのどこが『ちょっと』だ!ちったあ人の取り分も考えやがれ猿!!」 「ジープはお団子は無理ですから、餡だけ少し取り分けましょうね」 「キュウ!」 「三蔵は?全種類添えますか?」 「・・・・・・・・・ずんだ餡だけでいい」 「「(団子を頬張りながら)ふへ?」」 「キュウ?(ぱちくり)」 「これだけの餡が選り取り見取りだというのに、またどうしてです?」 「餡ってのはな、豆そのものの風味あってこそなんだよ。 芋やらチョコやら混ぜ合わせるなんざ、邪道だ、邪道」 そう言って荷物から取り出したのは―― 「・・・・・・缶詰?」 「大納言小豆餡――my餡かよ!!」 「俺は小豆餡は大納言しか認めん(きらーん☆)」 「・・・慶雲院の執務室の戸棚に、これと同じヤツストックしてたっけ・・・(遠い眼)」 そして数日後、朝食の席で―― 「餡にチョコ混ぜるのがダメで何でトーストに砂糖マヨネーズと餡塗ったくるのがアリなんだよこの味覚障害坊主!!!」 「「「悟浄煩い/煩ぇ/煩いですよ」」」 いつまで経っても常識人な悟浄の魂の叫びが響き渡ったとさ(笑)。 どっとはらい。 |
あとがき とある深夜番組で「あんこ」の専門店が紹介されていました(ローカルっぽいので知らない方もいらっしゃるかと思いますが)。 ケーキ屋さんにあるようなショーケース(小さめ)の中に、量り売りのお味噌のように餡を山型に盛り上げて置いているんです。 見た目も色々、味も色々で、店員さん曰く「最近は男性客が多くなってきた」そうで。 あんこといえばアノ人!という事で、書き上げました。 ちなみに白玉団子は火が通らないと激マズです。香月は餡よりきな粉派♪ |
Back |