前述の小咄、実はかなり長くなってしまったので半分くらいカットしたんです。で、ト書きっぽいのは一切なくしてほぼ台詞と擬音語・擬態語のみ。こういうのの方が軽くよめるかな、と(自覚はあるんですが香月の小説って説明が多くて重いんですよ)。 割愛した前半というのが、10月に金木犀の花を摘む悟空とそれを手伝う八戒の会話からスタートして、そこから八戒サンの「三蔵サマのご機嫌を取って秘蔵の桂花酒をいただこう大作戦」が始まるという内容。 どうやら悟能時代に、三蔵の出自を聞いたらしい八戒は、悟空から聞いた内容と照らし合わせて11/29が三蔵の誕生日だと推察します。でもって彼がその日を大切にしているものの、寿ぐ気はないことも。 となると普通の方法では目的の物は手に入りません。ということで、『将を射んと欲すればまず馬を射よ』。馬ならぬ猿、もとい悟空を その一方で、将こと三蔵の機嫌を取る物を用意しなくてはなりません。それが『特製和菓子ケーキ』。 作戦内容やらケーキのレシピやら考えに耽る八戒を見て、悟浄も三蔵も「何なんだ一体?」とやや引き気味(笑)。 そして11/29、作戦決行―― 朝、悟空が桂花酒を持ち出す(花を集めるのは悟空の役目なので、酒瓶の在り処も知っている)
↓ 前日遅くまで仕事をこなしていた三蔵はやや遅めの起床 ↓ 朝食を終え、自室に戻り、桂花酒を取り出そうとして(朝っぱらから飲む気満々)、 酒が無い事に気付く ↓ 桂花酒の存在を知っているのは悟空だけ。悟空が酒を持ち出して向かう先は1箇所だけ ↓ 「あんの猿・・・!」と、鬼神も真っ青の怒りっぷりで沙悟浄宅へ 三蔵が怒り狂うのを承知で仕組むんですから、イイ根性してます八戒サン。でもって自分の作る和菓子ケーキと理路整然とした論理トークで懐柔出来ると確信している辺り、最強です。 元ネタとなる某料理漫画ではケーキの台は卵を使わず里芋を使った蒸しケーキでしたが、そこまでする必要はないので代わりに抹茶蒸しケーキで。さらし餡・苺・金木犀と合わせて4人のカラーを盛り込んでみました。正直な話苺は入れなくても構わなかったんですがね。 |
あとがき 再upに際し、微小修正。殆どは原文通りです。 |
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